簿記2級の範囲を見ると、商業簿記も工業簿記もあって、4週間で終わる量には見えないかもしれません。 仕訳がまだ切れない状態なら、なおさらです。
でも、2級の合格は70点です。 100点満点で30点は落としてよい試験で、全部を同じ濃さで勉強する必要はありません。
間に合わない感じがするのは、勉強量が足りないからではなく、全部を等しくやろうとするからです。 点になりやすい所に濃さをつけて、残りは軽くする。この講座は、それを決めてから始めます。
ネット試験(90分)で、70点以上を取ること。
満点は目指しません。 よく出る論点で、確実に点を積みます。
予想模試1回分を、本番と同じ90分で解いて、70点以上を取ることです。 最後の単元(No.21)で、その進め方を扱います。
ネット試験は5つの大問で、90分です。 配点は、資格の学校が過去の出題から分析した傾向です。日本商工会議所が公式に出している配点表ではないので、目安として見てください。
| 大問 | 中身 | 配点の傾向 | この講座での目標 |
|---|---|---|---|
| 第1問 | 商業簿記(物を仕入れて売る会社の簿記)の仕訳(5問) | 20点 | 16点(5問中4問) |
| 第2問 | 連結会計(親会社と子会社を1つの会社として合算する計算)、株主資本等変動計算書など | 20点 | 第2・3問で28点 |
| 第3問 | 財務諸表(貸借対照表などの決算書)の作成、本支店会計 | 20点 | (同上) |
| 第4問 | 工業簿記(物を作る会社の簿記)の仕訳と原価計算 | 28点 | 第4・5問で32点 |
| 第5問 | 標準原価計算(あらかじめ決めた目標の原価と実際を比べる計算)、直接原価計算(変動する費用だけで利益を出す計算) | 12点 | (同上) |
目標を足すと、16+28+32=76点です。 合格の70点には、6点の余裕があります。
方針は、短く言うと、工業簿記で稼ぎ、第1問で落とさず、第2・3問は部分点を拾うです。
第4問と第5問を合わせると40点で、全体の4割になります。 商業簿記より出題パターンが少なく、図を描けば計算が決まるので、ほぼ満点を狙えます。
工業簿記は、会社の中の「物を作る流れ」を記録する簿記です。 商業簿記と考え方が違うので、最初はとっつきにくく感じますが、図を描けば計算が決まります。
第1問は、1問ずつが短く、論点ごとに答えの型があります。 合格者は、ここで落としません。
ネット試験では、勘定科目を一覧から選ぶ形式なので、書けなくて落とす事が減ります。 その分、似た科目の見分けと、金額の計算が大事になります。
この2問は量が多く、時間がかかります。 全部は解けなくても、解けた所が点になります。
白紙にするのが一番の損なので、取れる所から埋めていきます。 連結や財務諸表は、難しく見えますが、仕訳を組み合わせた問題です。区分1の仕訳が土台になります。
講座は、本番で使う順に、5つの区分に分かれています。
○ 区分0 3級の土台(No.01〜03)
仕訳のしくみ、よく出る勘定科目と取引、決算の流れ。2級の教材は、3級を知っている前提で書かれているので、まずここで土台を作ります。3級レベルの仕訳と決算整理を、手を止めずに書ければ十分です
○ 区分1 第1問 商業簿記の仕訳(No.04〜10)
商品売買、債権・引当金、固定資産、株式会社の純資産、有価証券、税金、外貨建取引。1問2〜3分で切れれば十分です
○ 区分2 第2問・第3問(No.11〜15)
決算整理と財務諸表、本支店会計、連結会計、株主資本等変動計算書。基本問題を時間内に7割埋められれば十分です
○ 区分3 第4問・第5問 工業簿記(No.16〜20)
勘定の流れ、個別・部門別・総合原価計算、標準原価計算、直接原価計算。基本問題をほぼ満点で解ければ合格です。ここで稼ぎます
○ 区分4 本番(No.21)
ネット試験の持ち物、画面の決まり、時間配分。知っていれば落とさない事です
区分0は、仕訳がほぼ切れない状態から始めるために置いています。 区分1の最初の数回は、No.01〜03に何度か戻ることになると思います。それで構いません。
全部を追うと終わらないので、次の物は外します。
外して不安になるかもしれませんが、出題がまれな物に時間を使うと、確実に取れる所が手薄になります。 必要になったら、後から調べれば足ります。
簿記2級の出題区分は、2027年4月から新しくなります。手形・小切手や、リースの会計基準などが入れ替わります。 この講座は、2026年度の区分(2027年3月まで)で書いています。2027年4月以降に受ける場合は、公式サイトで新しい区分を確かめてください。
1日に1単元を目安に、次の順で進めます。受験日は11月下旬を想定しています。
| 週 | 単元 | ねらい |
|---|---|---|
| 1週目 | はじめに、No.01〜05 | 仕訳の土台を作り、商品売買と債権に入る |
| 2週目 | No.06〜10 | 第1問の残りの論点を一通り終える |
| 3週目 | No.16〜20 | 工業簿記。ここで点を固める |
| 4週目 | No.11〜15、No.21 | 第2・3問と本番の準備。最後の数日は予想模試 |
商業簿記を先に終えず、3週目に工業簿記を入れているのは、稼ぎどころを早く固めたいからです。 工業簿記は、商業簿記の続きではなく、独立して学べます。
4週目の最後の数日は、予想模試を90分で通して解きます。 解けなかった問題は、その単元の本文に戻ります。
ゴールは、ネット試験で70点以上。方針は、工業簿記で稼ぎ、第1問で落とさず、第2・3問は部分点。全部は解けなくてよい。仕訳が不安なら、まずNo.01〜03から。