日商簿記2級 最短合格講座

はじめに

全体像と攻略法

最初に、この講座で目指す所と、やらない事を決めておきます。約4週間で、日商簿記2級のネット試験に合格するために、どこを濃く読み、どこを軽く済ませるか。ここを読んでおくと、後の単元で「なぜ今これをやるのか」が分かるようになります。
目次
  1. 満点を取る試験ではありません
  2. この講座のゴール
  3. 試験の形と、目標の点数
  4. 攻め方は、大きく3つです
  5. 5つの区分
  6. やらない事
  7. 4週間の進め方

満点を取る試験ではありません

簿記2級の範囲を見ると、商業簿記も工業簿記もあって、4週間で終わる量には見えないかもしれません。 仕訳がまだ切れない状態なら、なおさらです。

でも、2級の合格は70点です。 100点満点で30点は落としてよい試験で、全部を同じ濃さで勉強する必要はありません。

間に合わない感じがするのは、勉強量が足りないからではなく、全部を等しくやろうとするからです。 点になりやすい所に濃さをつけて、残りは軽くする。この講座は、それを決めてから始めます。

この講座のゴール

ゴール 必ず覚える

ネット試験(90分)で、70点以上を取ること。

満点は目指しません。 よく出る論点で、確実に点を積みます。

卒業課題 必ず覚える

予想模試1回分を、本番と同じ90分で解いて、70点以上を取ることです。 最後の単元(No.21)で、その進め方を扱います。

試験の形と、目標の点数

ネット試験は5つの大問で、90分です。 配点は、資格の学校が過去の出題から分析した傾向です。日本商工会議所が公式に出している配点表ではないので、目安として見てください。

大問 中身 配点の傾向 この講座での目標
第1問 商業簿記(物を仕入れて売る会社の簿記)の仕訳(5問) 20点 16点(5問中4問)
第2問 連結会計(親会社と子会社を1つの会社として合算する計算)、株主資本等変動計算書など 20点 第2・3問で28点
第3問 財務諸表(貸借対照表などの決算書)の作成、本支店会計 20点 (同上)
第4問 工業簿記(物を作る会社の簿記)の仕訳と原価計算 28点 第4・5問で32点
第5問 標準原価計算(あらかじめ決めた目標の原価と実際を比べる計算)、直接原価計算(変動する費用だけで利益を出す計算) 12点 (同上)

目標を足すと、16+28+32=76点です。 合格の70点には、6点の余裕があります。

攻め方は、大きく3つです

方針は、短く言うと、工業簿記で稼ぎ、第1問で落とさず、第2・3問は部分点を拾うです。

工業簿記で稼ぐ 必ず覚える

第4問と第5問を合わせると40点で、全体の4割になります。 商業簿記より出題パターンが少なく、図を描けば計算が決まるので、ほぼ満点を狙えます。

工業簿記は、会社の中の「物を作る流れ」を記録する簿記です。 商業簿記と考え方が違うので、最初はとっつきにくく感じますが、図を描けば計算が決まります。

第1問で落とさない 必ず覚える

第1問は、1問ずつが短く、論点ごとに答えの型があります。 合格者は、ここで落としません。

ネット試験では、勘定科目を一覧から選ぶ形式なので、書けなくて落とす事が減ります。 その分、似た科目の見分けと、金額の計算が大事になります。

第2問・第3問は部分点を拾う さらっと

この2問は量が多く、時間がかかります。 全部は解けなくても、解けた所が点になります。

白紙にするのが一番の損なので、取れる所から埋めていきます。 連結や財務諸表は、難しく見えますが、仕訳を組み合わせた問題です。区分1の仕訳が土台になります。

5つの区分

講座は、本番で使う順に、5つの区分に分かれています。

○ 区分0 3級の土台(No.01〜03)
 仕訳のしくみ、よく出る勘定科目と取引、決算の流れ。2級の教材は、3級を知っている前提で書かれているので、まずここで土台を作ります。3級レベルの仕訳と決算整理を、手を止めずに書ければ十分です
○ 区分1 第1問 商業簿記の仕訳(No.04〜10)
 商品売買、債権・引当金、固定資産、株式会社の純資産、有価証券、税金、外貨建取引。1問2〜3分で切れれば十分です
○ 区分2 第2問・第3問(No.11〜15)
 決算整理と財務諸表、本支店会計、連結会計、株主資本等変動計算書。基本問題を時間内に7割埋められれば十分です
○ 区分3 第4問・第5問 工業簿記(No.16〜20)
 勘定の流れ、個別・部門別・総合原価計算、標準原価計算、直接原価計算。基本問題をほぼ満点で解ければ合格です。ここで稼ぎます
○ 区分4 本番(No.21)
 ネット試験の持ち物、画面の決まり、時間配分。知っていれば落とさない事です

区分0は、仕訳がほぼ切れない状態から始めるために置いています。 区分1の最初の数回は、No.01〜03に何度か戻ることになると思います。それで構いません。

やらない事

全部を追うと終わらないので、次の物は外します。

外す物 さらっと

外して不安になるかもしれませんが、出題がまれな物に時間を使うと、確実に取れる所が手薄になります。 必要になったら、後から調べれば足ります。

出題区分の改定について さらっと

簿記2級の出題区分は、2027年4月から新しくなります。手形・小切手や、リースの会計基準などが入れ替わります。 この講座は、2026年度の区分(2027年3月まで)で書いています。2027年4月以降に受ける場合は、公式サイトで新しい区分を確かめてください。

4週間の進め方

1日に1単元を目安に、次の順で進めます。受験日は11月下旬を想定しています。

週 単元 ねらい
1週目 はじめに、No.01〜05 仕訳の土台を作り、商品売買と債権に入る
2週目 No.06〜10 第1問の残りの論点を一通り終える
3週目 No.16〜20 工業簿記。ここで点を固める
4週目 No.11〜15、No.21 第2・3問と本番の準備。最後の数日は予想模試

商業簿記を先に終えず、3週目に工業簿記を入れているのは、稼ぎどころを早く固めたいからです。 工業簿記は、商業簿記の続きではなく、独立して学べます。

4週目の最後の数日は、予想模試を90分で通して解きます。 解けなかった問題は、その単元の本文に戻ります。

ゴールは、ネット試験で70点以上。方針は、工業簿記で稼ぎ、第1問で落とさず、第2・3問は部分点。全部は解けなくてよい。仕訳が不安なら、まずNo.01〜03から。